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2019-09

1ドル60円が妥当な水準、まだまだ円は安すぎる?①

        早稲田大学大学院教授 野口悠紀雄さん(朝日新聞2010・10・01)

「円高是正」を求める大合唱に押され、政府・日銀はついに為替介入に踏み切りましたが、これは暴挙としか云いようがないことです。米国の金利が低下しており、日米の金利差が縮小している現在、政府が介入しても、為替の動向に影響を与える可能性は極めて低く、巨額の損失を被るだけの結果となる可能性が高いからです。

名目の為替レートは1995年以来の円高かもしれませんが、日米の物価上昇率の違いを調整した「実質円・ドルレート」では円安です。

米国の消費者物価は95年から2009年までの間に40.7%上昇したのに対し、日本では逆に0.4%下落しました。従って例えば、1ドル=85円だった95年当時、日本で850万円する商品を米国に輸出すれば、10万ドルで売れました。
ところがこの商品は物価上昇の結果、いま米国では14万ドルになっています。しかし物価上昇のない日本では850万円のままなので、これをいまのレート(1ドル85円)で米国に輸出すれば10万ドルで売れ、圧倒的な競争力を持つことになります。

物価上昇率の違いを勘案して競争条件を等しくするためには、1ドル60円程度が妥当な水準です。それでも介入が行われたのは、日本の産業界に、円安を望む強いバイアスがあるからです。自動車、電機など輸出産業が長く中核産業だったため、政府や世論に対して、「円高は国難だ」という声の影響力が強い。

今でも実質レートで見れば適性水準にに比べてかなりの円安です。この程度の「円高」で悲鳴を上げているようでは、日本の輸出産業の競争力はかなり落ちていると言えます。

すでに「輸出立国」という経済モデルが崩壊しているのです。日本が自動車、電機で世界と競争して有利な立場だった時代は終わったのです。では輸出立国モデルが崩れた後に日本が目指すべきモデルは何なのでしょうか?(明日へ続く)

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