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2019-09

子ども手当て・内需活性化への道  (日経新聞)

新政権の経済政策の目玉である子ども手当ての支給は2つの点で注目される。

 第一は、経済の需要サイドを重視している点だ。2002年から始まった輸出主導の景気回復は、家計や中小企業、地方にはあまり恩恵をもたらさなかった。若年層を中心とする格差・貧困の拡大にも歯止めを掛けられなかった。

 子ども手当ては、政府がより積極的に所得の再配分にかかわることで、家計をてこ入れしていこうとする政策である。所得の再配分を強化するのならば、世代内の所得格差だけでなく、世代間の負担の不公平是正にまで踏み込んだ税制改革や社会保障制度改革も必要になる。ただし、所得再配分重視の政策によって企業負担が重くなれば、投資が海外に流出するリスクがある。

 リーマンショックは米国型の資本主義の欠陥をさらけ出す一方で、従業員や消費者を重視する日本型企業経営を再評価する契機にもなった。
そうした状況下で、新政権が新自由主義的政策の振り子をどこまで反対方向に戻していくのかが注目される。もっとも、こうした動きは日本が初めてではない。欧州ではいわゆる「第三の道」の模索が続いてきた。欧州には日本が参考にすべき政策も多い。

 第二の注目点は手当ての財源である。財源として予算の組み替えや無駄の排除が挙がっているが、両者は根本的に異なるものである。家計に対する他の控除を廃止し、あるいは他の歳出を削って子ども手当ての財源を工夫するのは、予算の組み替えである。

 一方で、無駄の排除には行政改革が必要である。官庁の組織があれば、そこに人員が張り付き、施策を考えるというのが予算策定の現状である。ここにメスを入れるには、既得権の構造、行政組織・権限、人事の改革に手をつけなければならない。これは行政改革を進めることに他ならない。地方分権や規制改革も広義の行革である。

 新政権がどこまで行革を徹底できるかによって、財源の捻出ばかりか、財政健全化のシナリオも大きく変わってくる。行革は資本主義のタイプによらず、換言すれば、政府の大きさにかかわらず、効率的な政府をつくるために必要な改革だ。

      子ども手当てと、その財源を捻出する施策は、日本経済を大きく方向転換させる。
      内需活性化による「日本再生への道」を切り開く‥そういう可能性を持つ施策なのである。



                         
             2009/09/04 日経新聞「大機・小機」 (追分)                          


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