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2014-05

福島原発で働く人達のこと

活気にあふれた職場では、決してない。かといって、希望がなく悲壮感だけが覆っているわけではない。音が少ない静かな職場である。やらなければならない仕事が目の前にある。職員は黙々と働いている。事故から3年2ヶ月がたった福島第一原子力発電所を訪ねた。

熔けた炉心はどんな状態なのか。放射線が強い建物の中に人間は入れない。医療の内視鏡を使えば、診断はできるかもしれない。けれども治療の方法はまだわからない。廃炉には最低でも30年~40年かかる。一人の働き手が一生を費やす年月である。誰かがやらなければならない。分っているのは、その事実だけだ。

吉田昌郎(まさお)元所長への政府事故調の聴取で、事故直後に9割の職員が現場から撤退していたと一部で報じられた。待機の指示が届かなかったか。指示を聞かなかったのか。だが、あの日の壮絶な状況を思い出したい。パニックの中で自分ならどうしたか。退避した人を責めるのではなく、残った人々に感謝すべきではないか。

途方もなく長い道を、福島第一は手探りで歩んでいる。現所長の小野明さんは「新しいものを作っている感覚」と語る。そうであってほしい。廃炉という未踏の挑戦に希望の光をともせるか。難しい職務に立ち向かう時、人は金銭では動かない。現場の頑張りを支えるのは社会の側の理解だろう。情報の共有が欠かせない。
2014・05・26 日経新聞「春秋」

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