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2009-01

崩れた米国流価値観 ①  (08/12/11投稿分)

金融危機どう立ち向かう
世界はこの二十年ほどの間、「自由は善、規制は悪」という単純な論法でやってきた。その価値観が今、大きな修正を迫られている。

1980年代までの自由主義世界は、自由経済といえども政府がルールを作るという意思を強く持っていた。労働分野では、政府は賃金や労働時間などを積極的に規定し、労使交渉に任せきりにするようなことはなかった。

金融分野ではグラス・スティーガル法が典型だ。銀行と証券の兼業を禁止し、金融業の倫理を保つ役割を果たした。

ところが、80年代半ばから世界観ががらっと変わる。労働市場から政府は手を引き、90年代終わりには銀行と証券の垣根も撤廃された。

「小さな政府」「規制緩和」「市場原理」「民営化」といったアメリカ型の価値観が世界中にばらまかれた。いわゆる「ワシントン・コンセンサス」だ。‥‥‥(続く)

                 猪木武徳

              (国際日本文化研究センター・猪木武徳氏)



崩れた米国流価値観②(08/12/11投稿分)

世界を覆う不平等
その路線は今や完全に行き詰った。21世紀の日本で起きたことをみても、それは明らかだ。
企業の作り出した付加価値の分配がおかしくなって、賃金は上昇せず、ほとんど株主への配当に向かった。「企業は株主のもの」というアメリカ型の思想に経営者がかぶれた。企業は従業員や地域社会とも深いかかわりを持つ社会的存在という視点を忘れたためだ。その結果、豊かさにおいて不平等だという嫉妬や恨みが社会を覆っている。

今回の金融危機で、アメリカでも金融機関の報酬の高さが問題視されて、上限を設けようという議論が出始めた。不平等という感覚が強く大きくなりすぎると、民主主義の存立基盤が揺らぎかねない。


「熱狂」の制御を
「ワシントン・コンセンサス」を撒き散らしてきたアメリカ自身が、自由主義経済の再構築に乗り出さざるを得ない。自由競争が人間の福祉を実現するには、行き過ぎやごまかし、不正がないような枠組みを作る必要がある。アダムスミス以来の原則だ。どういう法的規制が必要だったのかという反省を基に、まずは金融制度の再建から始まるだろう。


いつの時代も、人間の熱狂というのはすざましいものがある。かっては、十字軍、錬金術、今は投機だ。人間社会である限り、今後も大衆の熱狂という現象は避けられないので、熱狂を抑圧するシステムはうまく機能しない。

求められているのは、熱狂が膨れあがって大爆発を起こす前に、ガス抜きができるような経済システムだ。世界中で官民の知恵が試される。

        (国際日本文化研究センター所長・猪木武徳氏)


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